この記事では、ラケットにボールが当たる瞬間のことを「ヒット時」と表現していきます。
人の視野には2種類ある
人の視野には以下のような2種類が存在します
- 中心視野
- 周辺視野
中心視野は、よく見たいものをはっきりと見ることができるもので、
周辺視野は、ぼんやりと中心視野の周りを見ることができるものです。
「ボールをよく見る」というのは、一見この中心視野でボールを見るということを指しそうですが、実はこの中心視野は、
- 近くの速いボールを見ることに向いていません
皆さんは例えば道路で、車と車ですれ違う時、対抗の車が遠い時点では直接視野で簡単に捉えられますが、近づいてすれ違う直前だとかなり目で追うのは大変という経験はありませんか?
テニスでもこれと同じで、遠くや、ある程度近くまでのボールは中心視野で捉えていて、 実はヒット時には周辺視野を使って打っているはずです。
少なくとも僕は、自分がボールとガットが接触しているのが見えたことはありません。
フェデラーやナダルは異端児
フェデラーのヒット時の写真を見ると、ボールをよく見ているように見えます。
その写真のイメージが強く、「ボールをよく見ることが正しい」というような風習が流行っています。
また、
- ボールをよく見ればラケットがボールに当たるだろう
これは、「なんだか感覚的に当たり前な気がする」のことから、その理論は正しく感じがちです。
フェデラーのヒット時
ナダルのヒット時
では、他のプロはどうでしょうか?
他のプロはヒット時ボールを見ていない
ジョコビッチのヒット時
マレーのヒット時
これらを見て分かる通り、ボールを注視して打たなければならないわけではないということが分かります。
ジョコビッチがボールをラケットに当てる能力は歴史上ダントツでうまいはずですからね。
そのジョコビッチがヒット時ボールを注視していないのです。
ボールをある程度直接視野で見ていてヒット時に間接視野へ
ボールはバウンドしてしまえば、ほとんど経験則にもとづいて予測で打つことが可能です。
サーブ練をしていれば目を閉じていてもラケットにボールが当た るようなものです。
ボールをよく見るのはヒット前までの話で、ヒット時には周辺視野でボールをぼんやり見ながらヒットします。
ボールをよく見る=顔を残す
しかしながら、ボールをよく見るようにするとテニスが安定する人も多く存在すると思います。
これは、
- 体の回転の後に顔を動かす方が安定する
- 顎を引いた状態でヒットできる
という別のメリットが生まれている理由ではないかと思います。
ボールをよく見ることのデメリット
ボールをよく見ようとしすぎると、緊張などにより体が固くなって脱力できなくなる可能性があります。
ようは、スイングスピードが遅い原因になる可能性があるということです。
一度、ボールをヒット時の本当に最後まで見る必要はないという風に、周辺視野の中にボールを入れておけば打てるという感覚で、気楽にラリーをしてみてください。
もしかしたら新しい発見になるかもしれません。
もちろんフェデラーのようにガッツリボールを見る方が合う人もいるかもしれませんが、フェデラーは目の使い方は異端で、打つ直前にヒット時に視点を移すような目の動かし方をしていて他のプレイヤーでそんなやり方をしている人はいません。
参考にならないくらい天才だと思います。
まとめ
皆さんは、ヒット時のボールは見えていますか?よかったら動画もご覧ください。
ぜひ皆さんの意見や感想を聞かせてください。
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